マット・ロウアー(キャスター):
夜行われるオリンピック開会式でショートトラック、スピードスケート選手、エイミー・ピーターソンさんがアメリカ選手団の旗手を務めることになっています。5度のオリンピック出場を果たした数少ない選手でもあり、それだけでも素晴らしいことですが、それを達成するためにピーターソンさんは、もう一つの大きな困難を克服してきたのです。オリンピックの取材に当たっているジェイミー・ギャンゲルに聞いてみましょう。
(ビデオクリップ:スピードスケートの試合の模様)
ジェイミー・ギャンゲル(レポーター):
ショートトラック、スピードスケートには、力とスタミナと気力が必要とされます。周回はとても早く、レースの戦略や集中力は天性のものでなければなりません。
アナウンサー:
ここでエイミーが先頭に出ます。
ギャンゲル:
そして、どの周回にも危険が待っているのです。それは、アメリカチャンピオンで5回のオリンピック出場を果たしたエイミー・ピーソンにとっても同じことです。
(ビデオクリップ:エイミー・ピーターソン選手の練習風景)
エイミー・ピーターソン (スピードスケート選手):
スケートが大好きなんです。トレーニングもレースも大好きです。そういう気持ちになれるものって人生の中でそう多くはありません。
ギャンゲル:
ピーターソンさんは、ミネソタ州のスケート一家に生まれました。彼女の叔父ジーン・サンドビッグは、50年代に3度のオリンピック出場を果たしています。エイミーは、僅か2歳のころからスケートを始め、6歳まではスピードスケートとフィギュアスケートの両方の大会に出場していました。そして、15歳までには、スピードスケートでは敵はいなくなっていました。
ピーターソン:
スピードスケートって、ただ抜いたり抜かれたりしているだけ。
ギャンゲル:
そして、いつも一番だったと。
ピーターソン:
ええ、最後はみんなやっつけちゃったわ。
ギャンゲル:
これまでに、エイミーは、アメリカチャンピオンに9回、オリンピックで銀1個と銅2個、合計3個のメダルを獲得しています。そして今回、5回目となるオリンピックでまだ手に入れていない金メダルを狙っています。今30歳になる彼女は、10歳も年下の選手達と戦うことになります。年齢のことはどう思われますか?
ピーターソン:
年齢は、間違いなく今の私の滑りにとって大きな財産です。アメリカのどの選手もしたことが無い経験、たぶん、世界でも一人か二人しかしたことが無い経験を私は持ってるんですから。
ギャンゲル:
しかし、彼女は、今年のオリンピックでは、不安定な病気とも戦わなければならないのです。5年前からエイミーは激しい頭痛と疲労に悩まされ始めました。そして、ベッドから起き上がるので精一杯の状態になり、何か月もの間、集中したり練習したりすることができなくなってしまいました。そして最終的に、優秀なスポーツドクターから慢性疲労症候群であると診断を受けたのです。
ピーターソン:
まさかという感じでした
ギャンゲル:
それで間違いないと言われたときには?
ピーターソン:
それでやっと、最終的に間違いないと言われたときには、「ようし、じゃあ元気になってやるわ」って思ったんです。慢性疲労症候群は特効薬があってそれを飲めば治るって病気じゃないけれど。でも、それまで何ヶ月間も医師たちから年を取ったからだと思わされてきたんです。精神科に行こう、単なるうつ病かもしれないと。そして、本当の病名を言われたとき、「そう、まだ私のスケートが終わったわけではないのね」って思ったんです。またスピードスケートをするために、これを乗り越えなくちゃって。
ギャンゲル:
医師たちは、慢性疲労の原因もその治療法も、それが本当に病気であるかすら分らないのです。エイミーも、懐疑的な人々がいることは知っています。
ピーターソン:
つらいことでした。今でもそうですけど。みんなは、こんなレベルでスケートができレースで競えるほどの私を見て、「彼女が疲れるって?疲れないはずないだろ?どの選手なら疲れないって言うんだ?」と慢性疲労症候群のことを思うんです。でもやっぱりこの疲労は違うの。
ギャンゲル:
エイミーは、これまでの知識を参考にしたり、コーチや医師と相談したりしてトレーニングメニューを調整し、十分な休息、睡眠を取り、より健全な生活を送ることを心がけています。
パット・マックスウェル (コーチ):
この慢性疲労という招かざる客は、時々現れては全てをぶち壊して
行くんです。でもエイミーは、たぶん、知っているんだと思うんで
す。他の選手と同じように。誰しも乗り越えなければならない壁に
突き当たることがある、そして、エイミーにとっては、これがそう
だったんだと。
ギャンゲル:
12月にオリンピック予選が始まると、エイミーは代表に選ばれないんじゃないかと心配していました。慢性疲労は続き、ほかの症状も突然現れては消えて行きました。
ピーターソン:
この2ヶ月間は本当に大変でした。追い詰められたひどい情況で、スケートをするのも大変でした。症状も良くなったり悪くなったりを繰り返しました。でも、まだその尻尾は掴まえているし、ここでがんばらなきゃと思うんです。
アナウンサー:
エイミー・ピーターソンが先に行きます。
ギャンゲル:
実際には、始めはゆっくりしていましたが、エイミーは予選を勝ちあがり、アメリカ女子スケートのトップとなり、3つのレースの選手に選ばれました。
(ビデオクリップ:エイミー・ピーターソン選手の予選でのすべりと、表彰台での姿)
ピーターソン:
これまでのこと全てを通して、私は、スケートをしているのが本当の私なんだ、それが私のやることなんだって分ったんです。ちょっと後戻りしたり、別の、そう、別のハードルを越えなきゃならなかったけど。
ギャンゲル:
ソルトレイクでの目標はなんですか?
ピーターソン:
うそを言うわけじゃないけど、金メダルを持って帰りたくない訳ではないんですけど、でも私が本当にやりたいことは、オリンピックに参加して、そしてそこで私はベストを尽くしたんだって言いたいだけなんです。でも、メダルがたくさん取れたら、素晴らしいですけどね。
ギャンゲル:
NBCニュース、トゥデイのジェミー・ギャンゲルでした。
ロウアー(キャスター):
そして、今夜、彼女は旗手を務めます。
翻訳:Co-Cure-Japan, Jp-Care